2023/06/27
シーガード工法を知っていますか?
シーガード工法をあまり知らないという方が多いと思います。
そんな方向けにシーガード工法について詳しく紹介します。
すでに詳しい方は改めて確認するつもりで読んでみて下さい。
まずは、シーガード工法とは何かからみていきましょう。
目次
シーガード工法とは?
屋根の改修にはお金と手間がかかりますが、それに対応するために考案された方法があります。
それは別名で「シール工法」とも呼ばれています。
シールという言葉は建築に詳しい人なら理解できるかもしれませんが、シーガード工法は、既存の屋根材をそのままにして、接着剤を使って新しい屋根材を被せていく方法です。
一種のカバー工法とも言えますが、最も特徴的なのは、ビス留めに必要な穴を開けずに接着剤を使用することです。
この工法はコロニアル屋根におすすめで、一般的な家でも利用が増えています。
大型の台風なども頻発しており、接着剤だけで屋根材を固定することに不安を感じる方も多いかもしれません。
確かに、ビス留めに比べると頼りないイメージがあるかもしれませんが、国際空港などでの使用実績もあります。
実際には、シーガード工法は施工が非常に簡単であり、施工不良の心配もほとんどありません。
そのため、安心感は非常に高いです。

シーガード工法の特徴
屋根塗装よりもしっかりと改修できる
一般的な屋根改修方法としてよく知られるのが「屋根塗装」です。
屋根塗装は、塗料を塗り直すだけであり、短時間で手軽に改修できるため、低コストが魅力です。
塗料の防水性能によって、少しの雨漏りを防ぐこともできます。
さらに、既存の屋根材をそのまま利用するため、アスベストの心配もありません。
シーガード工法は、屋根塗装と同様に既存の屋根をそのままにして改修します。
しかし、シーガード工法は、屋根塗装では扱えないほど劣化の激しい屋根でも改修できる上に、雨漏りへの防水性能も格段に優れています。
屋根塗装は主に塗料の層を作るため、重度の雨漏りには対応できないことが多いですが、シーガード工法は屋根全体をしっかりと覆うため、雨漏りを完全に防止できます。
メンテナンスの期間も一般的な塗料では5年から10年ごとに再塗装が必要ですが、シーガード工法は約20年もの耐久性があります。
足場を組んで屋根の改修を行う手間をかけるなら、次回の改修までの期間が長い方が経済的な負担が少ないです。
葺き替えよりも迅速で経済的な負担が少ない改修方法
屋根の葺き替え改修は、既存の屋根を取り外し、新しい屋根を施工する方法です。屋根全体を入れ替えるイメージです。
新しい屋根を設置するため、効果は高いですが、工事期間は長く、費用もかなり高額です。
屋根の撤去後には仮の防水処理も必要であり、施工には高度な技術と知識が求められます。
シーガード工法は、葺き替えと比べて既存の屋根を取り外さないため、工事期間を短縮でき、費用も抑えられます。
工事期間が長いと、近隣の騒音問題や工事車両の通行量が増えるため、生活への影響も大きくなります。
足場の設置により洗濯物を干せない期間も発生する可能性があります。
そのため、工事期間の短縮は大きなメリットです。
耐久性については、基本的には新しい屋根を設けるという点では変わりませんので、どちらの方法も同等の耐久性が期待できます。
カバー工法よりも迅速で経済的な負担が少ない改修方法
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる改修方法です。
葺き替えと同様に既存の屋根を撤去する必要はないため、工事期間が短く、費用も抑えられます。
既存の屋根に新しい屋根を被せるため、耐久性は、葺き替えに劣ることがあります。
シーガード工法は、カバー工法と同じく既存の屋根の上に新しい屋根を被せる改修方法ですが、基本的な特徴は、カバー工法と同じです。

シーガード工法のメリット
穴を開けなくて済む
カバー工法では既存の屋根材に穴を開けてビス留めするのに対し、シーガード工法では接着剤を使用します。
既存の屋根材に穴を開けるため、アスベスト含有材の問題や施工不良による雨漏りのリスクがありますが、シーガード工法はそれを心配する必要がありません。
また、シーガード工法は、カバー工法よりも施工期間が短くなるため、費用も通常は割安になります。
穴を開けないのはシーガード工法の大きなメリットです。
接着剤が建物の揺れを防ぐ
シーガード工法にはもうひとつ大きなメリットがあります。
新しい屋根材を施工する際に使用する接着剤です。
この接着剤には熱や音を吸収する効果があり、遮熱塗料の代わりにもなります。
屋根は太陽からの日差しを直接受けるため、相当な熱が発生します。
この熱が室内に伝わってしまうと、室内温度が上昇し、非常に不快な状況になります。
屋根の断熱性能を同時に向上させることができるのはとても便利です。
この接着剤はビス留めに比べて建物の振動を低減させる効果もありますので、制振効果や台風などの強風による建物の揺れにもあまり影響を受けにくくなるというメリットもあります。

デメリット
一部の屋根には対応する事ができない
一部の屋根には対応できない場合があります。
シーガード工法はコロニアル屋根に施工する工法ですので、他の瓦屋根などには使用できません。
コロニアル屋根でも新しく取り付ける鋼板とサイズが合わない場合もあります。
他の屋根改修方法と同様に、既存の屋根が劣化している場合などは施工できないこともあります。
施工に関しては、専門業者に一度見てもらうことをおすすめします。
多くの業者は現地の確認だけなら無料で行っている場合が多いので、気になる方は気軽に依頼してみましょう。
種類の少ない
シーガード工法で使用される屋根材は、ガルバリウム鋼板に耐久性を高めるためのネオマットと呼ばれる加工が施されたものですが、カラーバリエーションはまだ限られており、材質の種類もほとんどありません。
一般的な家の屋根には適していますが、色やデザインにこだわりたい場合は難しいかもしれません。
雨漏りしていると使えない
古い屋根を覆い隠すだけなので、既存の屋根材の防水シートはそのままです。
新しく防水シートを張るわけではないので、雨漏りを直すことはできません。
覆い隠したからといって、防水シートの寿命が延びるわけではありません。
そのため、雨漏りの保証が付かない可能性が高いです。
火災保険を頼りに屋根の修理はしない方が良い
火災保険に頼って屋根修理を行うことは、カバー工法を使うかどうかに関わらずおすすめできません。
火災保険は、自然災害によって引き起こされた屋根の損傷修理に利用することができる場合があります。
しかし、主な原因が経年劣化による不具合の場合、基本的に火災保険は適用されません。
火災保険が利用可能なのは、強風によって屋根の金属板が飛散したり、屋根の頂部の金属板が損傷し、雨漏りが発生しているなどの場合です。
火災保険を申請すると、保険会社の査定員が現地調査を行い、損傷や不具合の原因が自然災害によるものなのか、経年劣化が原因なのかを判断します。
保険会社の判断によっては、火災保険が適用されなかったり、支払いが減額される可能性もあります。
そのため、火災保険を頼りにしたカバー工法による修理はおすすめできません。
まとめ
今回は、シーガード工法などについて詳しく紹介しました。
シーガード工法の特徴やメリットとデメリットを詳しく知りたかった方は、参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
紹介した内容を参考にしてシーガード工法などに関する知識を深めて下さい。