外壁塗装リフォームを行うベストタイミングを劣化症状から判断しよう外壁塗装のタイミング

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木造住宅は築22年で税務上の耐用年数を迎え、平均すると築30年で解体されています。といっても、22年で実際に価値がなくなったり、30年で住めなくなったりするというわけでは決してありません。

耐久性はさほど高くないと思われがちな木造住宅でも、適切なメンテナンスを定期的に行えば50年以上、さらに長期優良住宅認定を受けるような住宅であれば100年以上暮ラスことも可能です。そして大切な家に長く快適に暮らしていくためには、適切なタイミングで適切なメンテナンスを行うことが重要になります。

 

ベストなタイミングでメンテナンスリフォームを行うなら、住まいの長期的なメンテナンスコストを抑えつつ、住まいの快適性や資産価値を長く保つことができます。

とはいえ、家のメンテナンスリフォームの費用は数十万〜数万以上と些細な出費ではありません。

この記事では、

  • 外壁塗装リフォームのベストタイミングを計る、劣化症状のチェックポイント
  • 塗料ごとの耐用年数を判断する方法
  • 外壁材ごとのメンテナンスのポイント
  • メンテナンスを怠る時にかかるかもしれない工事の費用

などについてご説明します。

家を長く美しく保つ、外壁メンテナンスのためのチェックポイント

外壁塗装のベストなタイミングを見極めるには、外壁やその周辺に劣化症状が現れていないかなど、コンディションを観察してみるのがおすすめです。自宅に下記のような症状が現れていないか、定期的にチェックしてみましょう。

色褪せや光沢が失われているか

外壁塗装にまず現れる劣化現象の一つが色褪せや光沢の低下です。これらは時間の経過とともに自然に起こる現象で塗膜はまだ耐久性を保っていますが、塗装メンテナンスの時期が近づいていることを示すひとつのサインとなります。


チョーキング現象が起きていないか

塗装面の劣化が進むと、壁面に触れると粉状の汚れが付着する「チョーキング現象」が見られるようになります。

これはしっかりと結合していた塗料の成分が何年も紫外線に晒されることによって起こる劣化現象です。まずは特に日当たりが特に良い壁面をサンプルとして選び、このチョーキング現象が起こっていないか確認してみましょう。

チョーキング現象が起きている外壁は、耐候性(紫外線や雨水に対する耐久性)がかなり低下してカビやコケなども発生しやすくなっているため、この現象が見られれば外壁塗装を行う時期が来ていると判断できます。

チョーキング現象は主に紫外線や風雨による経年劣化で起こりますが、まれに施工不良などで生じることもあります。塗装の耐用年数内であっても、もし壁面に変色や色むらなどが見られるなら、チョーキングが起きていないがチェックしてみると良いかもしれません。前回の塗装からあまりに早くチョーキングが発生しているようなら、保証内容によっては塗装のやり直しを求められる可能性もあります。前回の塗装を行った業者に相談してみることもできます。


コケやカビが発生していないか

コケやカビの発生も、塗装の耐候性がかなり落ちてきているサインです。上記のチョーキング現象と同時に発生していることもあります。

コケやカビは特に、湿度があって日当たりが悪い壁面に生じます。外壁塗装リフォームのタイミングが近いように思えるなら、隣家側や植栽の影になる部分など日当たりがよくなく湿気がこもりがちな壁面をチェックしてみましょう。

柔らかい布でさっと拭き取れる程度のコケ・カビであれば大きな問題とは判断できませんが、カビ・コケが広範に広がっているようであれば、外壁塗装リフォームを急いだ方が良いかもしれません。

コケやカビが広がっているものの、外壁材自体はまだ耐久性を保っている場合、水道水か専用の洗剤を使用する高圧洗浄を行い、その後新しい塗料で塗装リフォームします。

コケ・カビが長らく放置されていて、外壁材に根を深く張っているような状態であれば、外壁材の張り替えが必要になるかもしれません。そのような場合には外壁の防水性が失われてから長期間経過しておりと考えられるので、カビ・腐食などの被害は外壁内部の構造材や内装にまで及んでいる可能性もあります。

外壁のカビ・コケの被害は、ある程度日当たりのある壁面であれば光触媒塗料での塗装で防げますし、日当たりが悪い壁面ならフッ素塗料での塗装が有効です。


クラックはないか

壁面に入ったクラック(ひび割れ)も外壁のメンテナンスの必要性を測る判断基準になります。地震や交通による振動、建材の膨張や家の変形などでクラックが生じることもあります。

クラックはヘアークラック(0.3mm未満のごく細かなクラック)と構造クラック(幅が0.3mm以上、深さが5mm以上のクラック)に分けられますが、壁面に見られるのがヘアークラックであればそれほど心配する必要はないでしょう。

構造クラックの中でも特に幅が広いものが複数見られるなら、壁の内部のカビや腐食につながるリスクがあるので、補修を急いだ方が良いでしょう。

 

補修すべきクラックがある場合、クラックに沿ってサンダーなどでV字型に切り込みを入れ、シーリング材で補修します。そしてシーリングの補修跡が目立たなくなるよう、上から塗装します。


シーリングにひび割れや欠損はないか

シーリングは外壁材の継ぎ目や窓やドアなどの開口部の周囲、壁面を貫く配管の周囲などの隙間を埋める防水材です。

シーリングの幅は1cmほどと狭いものですが、住まい全体の防水においてはかなり重要な役割を果たしています。

実は、木造住宅で起こる雨漏りは屋根ではなく壁面からの浸入であるケースも多くあります。その雨漏りの原因となる代表的な箇所が目地の劣化したシーリングです。

シーリングは紫外線によって経年劣化し、徐々に柔軟性が失われてひび割れたり、痩せて目地に隙間が増えたりするようになり、より深刻に劣化すると完全に抜け落ちてしまうこともあります。このような状態になると、雨水が壁面に侵入して構造材にカビや腐食が生じるリスクはかなり高くなります。

 

シーリングの耐用年数はたいてい10年ほどです。シーリングの劣化が進んでいなければ既存のシーリングの上に新しいシーリング材を被せる「増し打ち」で補修することもできますが、劣化が進んでいるなら既存のシーリングを完全に撤去してから新しいシーリングを充填する「打ち替え」で修繕します。

もしシーリング部分の打ち替えだけを行いたい場合でも、高所作業を含む工事のため足場を組み立てなければなりません。1520万円ほどかかることもある足場代を節約するためには、外壁塗装リフォームのタイミングに合わせてシーリング工事を行います。


金属部分に錆はないか

外壁材として販売されている金属製品はかなり錆に強い構造となっていますが、全く錆びないというわけではありません。

とくに、傷がついてコーティングが剥がれた部分や、種類の違う金属と接している部分などではサビが生じやすくなります。特に注意すべきなのは鉄に生じる赤い錆で、見た目が悪くなるだけでなく金属部分に穴を開けたり強度を著しく低下させたりするリスクもあります。特に外階段・外通路など、強度の劣化が重大な事故につながりやすいような部分は要注意です。このような箇所は5年に一度は入念にチェックするようにしましょう。

錆が広く発生していればケレン作業などでしっかりと錆や汚れを落とし、防錆性能を上げるための塗装を行いますが、錆は広がりやすいので小さな錆でも放置せず、DIY でもすぐに錆落とし&塗装による錆止めを行いましょう。下記に詳しく説明しますが、ガルバリウム鋼板に生じる白い錆は、鋼板に穴を開けたり強度を低下させたりするような錆ではないので、あまり心配する必要はありません。

 

特に海岸から500m以内は「重塩害地域」、海岸から2km以内は「塩害地域」とされ、家がこのエリアにある場合には特に潮風による錆の発生に注意が必要となっています。このエリアの外側であっても、海風が強いエリアであれば錆が発生しやすい可能性があります。

愛媛県の場合、特に冬場は瀬戸内海が荒れて強風も吹きますので、時おり金属部分に錆が発生していないかチェックしてみましょう。

ガルバリウム鋼板の塩害の予防には、数ヶ月に1度くらいのペースでも水道水で洗い流すように簡単に洗浄するのも効果があります。


木製部分に腐食・虫害はないか

木製部分によくある劣化症状は腐食や虫害です。

木部のメンテナンスは樹種や使用箇所によっても異なりますがレッドシダーやイペ、セランガンバツなどハードウッド系の高級な木材であれば無塗装でも腐食や虫害に対する高い耐久性があります。一方、SPF材に代表されるような木材一般は防腐のための薬剤を木材の内側深くに浸透させる防腐処理を施すか、塗装で耐久性を保つ必要があります。

木材によく使用される浸透性の塗料(キシラデコールなど)は塗装の際は23回の重ね塗りとし、5年ほどで塗り直すのがベストです。

外壁に使用する塗料ごとに異なるメンテナンスのタイミング

外壁塗装では使用する塗料ごとに期待耐用年数が異なります。期待耐用年数とは、使用する塗料が、

  • 「耐候性」=紫外線や雨風に対する強さ
  • 「光沢保持率」=時間の経過に比例した光沢のレベル

を十分に保てる期間のことを指します。通常、塗料の光沢の低下は耐候性の低下と同時進行するので、光沢保持率が80%を下回る時には外壁塗装の耐候性もかなり落ちているとみなされます。

外壁塗装が期待耐用年数を迎えつつあるなら、そろそろ次の外壁塗装リフォームを考えるべきタイミング、ということになります。もちろん、前回の塗装から経過した年数だけでなく上記のような塗装の劣化状況なども併せて、バランス良く判断する必要があります。

このような塗料の耐久性は「促進耐候性試験」といわれる方法でテストします。促進耐候性試験としては、自然光の1030倍程度の速さで劣化を進める光を放つキセノンランプの光で人為的に塗膜の劣化を促進させていき、どの程度光沢が失われているかをもとに自然環境下での耐用年数に換算する方法が有名です。この方法で塗料ごとに光沢が80%を下回るポイントを「期待耐用年数」を算出する基準としています。

例えば、キセノンランプの光300時間は自然光約1年分に相当するので、促進耐候性試験で【光沢率80%を下回るまでの時間】をもとに、下記のような計算ができます

  • 2100時間→耐用年数7
  • 2400時間→耐用年数8
  • 3000時間→耐用年数10

このキセノンランプによる促進耐候性試験の結果をもとに、JIS規格でも塗料のグレードは分けられています。

  • 耐候形1種…2500時間経過後に光沢率80%以上
  • 耐候形2種…1200時間経過後に光沢率80%以上
  • 耐候形3種…600時間経過後に光沢率80%以上

外壁材ごとのメンテナンス

住まいの屋根・外壁をメンテナンスするベストタイミングは使用されている外壁材によっても異なります。まず外壁の素材ごとの特徴を簡単に把握しておきましょう。


窯業系サイディング

  • 耐用年数の目安:30〜40年
  • 塗装メンテナンス:必要

 

窯業(ようぎょう)系サイディングは、主原料となるセメント質原料と繊維質原料をボード状に成形し、高温処理などによって硬化させた外壁材です。

現在の戸建住宅において、外壁材としてのシェアは70%を超える人気の外壁材です。本来「サイディング」とは素材に関係なくボード状のものを張り付ける外壁材全般を指す言葉ですが、一般的にはサイディングといえばこの「窯業系サイディング」を指すものとして理解されます。

適切に塗装された窯業系サイディングは防水性、防火性、断熱性、遮音性、汚れにくさなど、心地よい暮らしのために必要な性能をバランスよく備えているのが特徴です。

また近年ではデザイン性の優れた窯業系サイディングのラインナップも広がっており、新築時や外壁の張り替えリフォームを行うときなどには外壁材を選ぶ楽しさも増しています。窯業系サイディングの人気は今後も続いていくでしょう。

 

窯業系サイディングの耐用年数は3040年とされていますが、その耐用年数を十分に全うするには、適切なタイミングでの塗装リフォームが不可欠です。

窯業系サイディングの塗装が劣化した状態を放置すると、見た目が悪いだけでなくカビや藻の発生によってサイディングの劣化がどんどん進んでしまいます。外壁の保護力や美しさを長く保つためには、前回の塗装から10年程度を目安に外壁の塗装メンテナンスを計画することをおすすめします。

窯業系サイディングの塗装は有色の顔料を含む塗料が使用されることが多いですが、レンガ調や木材調などサイディングの元々のデザイン・カラーリングを塗料の色で塗りつぶしたくない場合には無色透明のクリア塗装も選択できます。

塗装された状態で出荷される窯業系サイディングもありますが、無塗装のものであればすぐに塗装を行う必要があります。


金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)

  • 耐用年数の目安:25〜40年
  • 塗装メンテナンス:行うほうが良い

金属系サイディングの中でもトップクラスで人気があるのがガルバリウム鋼板(通称ガルバ)です。

ガルバリウムは鉄板を基材とし、アルミニウム・亜鉛・シリコンでできたメッキ層でコーティングしてあります。この上にさらに焼き付け塗装を施してあるので、樹脂を含む外壁用の塗料で塗装していなくても十分な強度と耐候性を長期間保つことができます。

ガルバリウム鋼板は薄くて軽量でありながらも強度があり、施工性も良好です。また、薄い素材とはいえ内側は硬質プラスチックフォームなどの断熱材で裏打ちされているので、住み心地に大きく影響する断熱性や防音性も十分に備わっています。

各メーカーもガルバリウム鋼板の強度には自信を持っており、赤さび(鉄に生じる錆)保証20年、穴あき保証25年などのメーカー保証をつけて販売しています。

 

このようにガルバリウム鋼板はそのままの状態でも赤錆(さび)に強いのが特徴ですが、これは、もしガルバリウム鋼板のコーティングに傷が入ってもメッキ層に含まれた亜鉛が酸化して傷をふさぎ、基材の鉄板は錆から守られるという性質によります。このような作用を「犠牲防食」といいます。

犠牲防食によって鉄板は赤錆から守られますが、犠牲となる亜鉛は酸化すると白錆となって表面化します。亜鉛による白錆は鋼板に穴をあけたり強度を低下させたりはしませんが、見た目には気持ちの良いものではないかもしれません。

 

そのような理由で、塗装なしでも強度が保てるとされるガルバリウム鋼板も適切なタイミングで塗装リフォームを行うことをお勧めします。

塗装しておけば白錆の発生や傷から始まる腐食、もらい錆などからガルバリウム鋼板を長く守ることができます。

特に愛媛県では海沿いに発展した街が多いですので、潮風による塩害(塩分で錆が発生しやすくなること)を防ぐためにも定期的な外壁塗装は有効です。


木質系サイディング

  • 耐用年数の目安:樹種による
  • 塗装メンテナンス:樹種による

「羽目板」と言われることもある木質系サイディングは、時間の流れと共に風合いが深まっていく経年変化を楽しめる外壁材です。現在、木質系サイディングには樹種・加工・仕上げの工法などにより非常に膨大な選択肢があります。

基本的に木材は見た目が美しく強度も高い、しかし火災・虫害・腐食などには弱い、という特徴があります。

しかし無垢材を燃えにくくする薬剤を含浸させる難燃処理を施した外装専用の不燃木材なども出揃っており、木材本来の弱点・デメリットと言えるものを克服した外壁材を見つけやすくなっています。

 

木質系サイディングの特性、そしてそれに合わせたメンテナンス方法は樹種によって大きく異なります。例えば、レッドシダー、イペ、セランガンバツなどのハードウッド系の樹種であれば高い強度に加え虫害、腐食の影響を受けにくい木質系サイディングもありますし、塗装メンテナンスを不要とするものもあります。

 

木質系サイディングの塗装メンテナンスを行う場合、メーカーによる指定や樹種ごとの特性などを考慮しながら適切な塗料を選択しなければなりません。木材は常に湿気を吸い込んだり吐き出したりしているため、一般的には造膜塗料(樹脂による膜ができる塗料)よりは、木の呼吸を阻害しない浸透性塗料(素材の中に染み込んで着色する塗料)がよく使用されます。

また、木質系サイディングは表面が柔らかく水にも弱いため、塗装する際には他のサイディングのように高圧洗浄を行わず、手作業で清掃するため、費用が高くなることもあります。

 

愛媛県では焼杉の外壁材をよく目にします。これは杉板の表面を高温や炎であえて炭化させた外壁材です。炭化した層は防火性が高く、腐食や虫害にも強くなります。

ただし、焼杉の炭化層は時間の流れと共に風化していき、炭化層の回復もできません。焼杉の外壁を長持ちさせたい場合は、焼杉専用の浸透性塗料で定期的に塗装します。

もし炭化層の黒い部分がほとんど剥がれ落ちているようなら、キシラデコールなどの浸透性の塗装で保護するか、劣化が進んでいるようなら張り替えを検討するのが良いかもしれません。

樹脂系サイディング

  • 耐用年数の目安:25〜30年
  • 塗装メンテナンス:不要

樹脂系サイディングは古くから北米でよく使用されてきた外壁材で、日本では90年代半ばに使用されるようになりました。

樹脂系サイディングは数少ない塗装不要のサイディングボードで、オープンジョイント工法といわれる、シーリング(コーキング)がいらない工法で施工できます。さらに撥水性に優れていて軽量、凍害にも強く、運搬も施工も容易という多くのメリットを持つ外壁材です。

とはいえ現在の樹脂系サイディングのシェアは1%ほどとみられ、採用されるのは寒冷地がほとんどなので、それ以外の地域ではまず使用されないと考えて良いでしょう。

 

メリットの多い樹脂系サイディングがなぜ採用されないのか正確にはわかりませんが、国産建材メーカーはこの樹脂製サイディングをほぼ製造しておらず輸入に頼らざるをえない状況であることや、そもそも製品ラインナップが少ないことなどが原因となっているのかもしれません。


ALC
(軽量気泡コンクリート)パネル外壁

  • 耐用年数の目安:40〜50年
  • 塗装メンテナンス:必要

 

ALCとは「軽量気泡コンクリート」のことで、セメントを主原料としています。無数の気泡を内包する構造により、重量は一般的なコンクリートの4分の1ほどとかなり軽量です。旭化成は「ヘーベルパワーボード」という商品名でALCを扱っているためパワーボードという名称でも知られます。

木造住宅から大型・高層建築物に至るまで幅広く使用される建材ですが、木造住宅の外壁材として使用される場合は厚さ3570mmの薄型のALCパネルが使われます。平坦でシンプルな「平パネル」と、デザインが施された「意匠パネル」が選択できます。

ALCパネルはセメント+気泡という独特の構造により、防火性・断熱性・遮音性に優れていて、適切なメンテナンスをすれば耐用年数は50年ほどを期待できます。

 

ALCパネル1枚ごとのサイズはその他のサイディングボードに比べて小型なので、外壁材として使用するときは継ぎ目が多く、比例してシーリング部分も多くなります。

ALCは防水性がかなり低い素材です。ALCに雨水の浸入があると、ALC内部の補強用の鉄筋やラス(金網)、また固定用のボルトなどが錆び付いてしまうリスクがあります。内部のサビの膨張による圧力で「爆裂」と呼ばれるALCパネル表面の剥落が起きることもあります。

 

ALCパネルのメンテナンスでは、防水性が優れた塗料で定期的に塗装すると同時に、シーリングに劣化が見られないか、クラックの発生はないかなどのチェックが大切です。幅の広いクラックや爆裂が見られるなら、ダメージが広がらないようすぐに補修と塗装を行うのが良いでしょう。


モルタル壁

  • 耐用年数の目安:約30年
  • 塗装メンテナンス:必要

モルタルとはセメントと砂を1:3で調合し、そこに施工用に加水したものです。水を加えれば良いだけの既調合モルタル(プレミックス品)が使用されることもあります。

またモルタルの用途に応じて、「接着増強材」や「ひび割れ防止剤」、さらに「着色剤」などを添加して施工することもあります。

モルタル外壁は左官作業で壁一面を塗り上げて施工するため、サイディングボードを使用する外壁のような目地のない、すっきりとしたデザインの壁面となるのが特徴です。既製品のようにデザインを限定されない自由さに加えて、防火性や耐久性にも優れているなど、実用面でのメリットも多くあります。

 

モルタル外壁といえばクラックが生じやすいというイメージがありますが、近年ではモルタルのクラックが発生しにくい「ノンクラック工法」が採用されることが増えています。

ノンクラック工法とはまず、湿式専用の防水透湿シートの上にラス(金網)、ラスモル(下地用のモルタル)、ガラスファイバーの下地用ネット、そして仕上げの途材を順番に施工していく工法です。

上記の添加剤やノンクラック工法により、モルタル壁のクラックに悩まされることも少なくなっています。このような工法の場合、従来型のモルタル壁より長い耐用年数を期待できるかもしれません。

 

古いモルタル壁でクラックが目立つという場合、軽微なクラックのみなら弾力・伸縮性のある弾性塗料で塗装することにより、クラックをカバーできます。


タイル外壁

  • 耐用年数の目安:40〜50年
  • 塗装メンテナンス:不要だが、塗装するメリットもある

 

陶磁器タイルの外壁材は色彩や質感ともに高級感があり、耐久性・耐火性・耐候性ともに非常に優れた外壁材です。

家屋全体をタイル仕上げとしている住宅もありますが、施工に手間がかかるタイル外壁の施工はその他の外壁と比べて高額となるため、外壁の一部分だけにタイルを採用している住宅もあります。

左官職人がモルタルで貼り付けていく湿式工法による昔ながらの施工方法に加えて、接着剤貼りや引っ掛け工法など、素早く施工できる乾式工法も普及しています。

 

経年劣化がほとんどないタイル外壁では、基本的に塗装によるメンテナンスは必要ありません。とはいえ、クリヤ塗装でタイル面を塗装すると新品のような美しい光沢が生まれるため、タイル外壁でも塗装を希望される方もいらっしゃいます。

ときどきタイルの目地にクラックが入ったりタイルが一部浮いたりする症状がみられることがありますが、このようなケースはたいてい下地に問題があります。多くの場合、このような症状を補修するには単にクラックを埋めるのではなく、タイルの一部張り替えが必要です。


外壁材の劣化、メンテナンスしないとどうなる?

外壁塗装、また外壁材自体の劣化を放置しておくと、被害はどんどん進行していきます。症状が深刻で塗装リフォームだけでは外壁の耐久性を回復できないという場合には、既存の外壁材の上から新しい外壁材を張り付ける「カバー工法」か、外壁材を完全に撤去してから新しい外壁材に張り替える工事が必要になります。

カバー工法が必要になる場合、下記のような費用がかかることが考えられます。

  • 窯業系サイディングを使用する場合…4000〜8000円/㎡
  • 窯業系サイディングの工賃…2800〜3500円/㎡
  • ガルバリウム鋼板を使用する場合…6000〜9000円/㎡
  • ガルバリウム鋼板の工賃…3500〜4500/㎡

仮に外壁の面積150 ㎡程度を窯業系サイディングによるカバー工法でリフォームする場合、上記の費用相場をもとに計算すると、約100万〜170万円程度になり、おそらくそこに雑工事費や諸経費なども加算されます。

もしカバー工法を採用できず、張り替えとなった場合には上記の費用に下記のような費用が必要になります。

  • 既存外壁材の解体・撤去費用…1800〜2500円/㎡
  • シーリング費用…1000〜1200円/m

この場合、カバー工法の費用より40〜55万円ほど高くなり、140〜225万円程度にまで費用が膨らむ可能性もあります。(シーリング全長は150m程度と仮定)

 

さらに家全体を外部からの雨風や害虫などから守っている外壁の保護力が低下したまま放置された家では、外壁だけでなく内部構造材や内装などに至るまで広範囲に被害が広がっていることもあります。その場合、外壁のリフォームだけでは対応できず、リフォーム費用は数百万単位に膨れ上がってしまうこともあり得ます。

まとめ:外壁材や塗料の特徴を把握し、ベストタイミングでメンテナンスしましょう

外壁塗装を適切なタイミングで行えば、家全体の保護力や美しさは長く保たれます。大切なのは劣化が進む前に外壁塗装リフォームを行うことです。

長期的な観点をもって計画的に外壁塗装リフォームを行うなら、家のメンテナンス・修繕のための数十万〜数百万単位の無駄な出費を避けることにもつながります。

愛媛県にお住まいで外壁塗装リフォームを検討している方、または家の屋根・外壁に劣化が見られるが何をどうリフォームしていいかわからないとお悩みの方、ぜひ私たち砂田塗装へお気軽にご相談ください!
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