2023/07/02
外壁塗装で使われる塗料について知っていますか?
外壁塗装で使われる塗料についてあまり知らないという方が多いと思います。
そんな方向けに外壁塗装で使われる塗料について詳しく紹介します。
すでに詳しい方は改めて確認するつもりで読んでみて下さい。
まずは、外壁塗装で使われる塗料はペンキなのかからみていきましょう。
目次
外壁塗装で使われる塗料はペンキ以外のもの
外壁塗装と聞くと、伝統的な方法でハケを使ってペンキを塗る職人の姿が思い浮かびますが、実際の作業はローラーやスプレーガンなどさまざまな道具を使い、専用の塗料を塗ることになります。
そして、一般的に耳にする「ペンキ」は、建物の外壁や屋根の塗装には使用されません。
一部の塗装業者は、一般の人々にわかりやすく外壁用塗料を「ペンキ」と呼んだり、「ペンキ屋さん」と言ったりすることもあります。
ペンキには外壁を十分に保護する力がありません。
ペンキは、外壁塗装用の専用塗料とは異なり、一般的に全国のホームセンターなどで販売されています。
手頃な価格で手に入りやすいため、DIY(セルフリフォーム)の定番アイテムとして愛用されていますが、耐用年数が非常に短く、塗装してもすぐに剥がれたり色あせが生じるというデメリットがあります。
そのため、小さな面積や劣化が問題にならない室内の小物の塗装には適していますが、屋外の設備の塗装には適していません。
また、ペンキは紫外線や雨などの外部要因に対する耐久性も高くありません。
外部要因に対抗する力を「耐候性」と呼びますが、耐候性は外壁や屋根を保護するために不可欠な機能です。
外壁のさまざまな劣化を考慮して開発された専用の外壁塗装用塗料が使用されています。
外壁塗装でペンキを使ってはいけない具体的な理由
一回の外壁塗装の費用は高額
外壁や屋根の塗装は日々の雨や紫外線の影響で劣化していきますので、おおよそ10〜15年ごとに定期的な塗り替えが必要です。
一戸建ての家の外壁塗装にかかる費用は、建物の形状や工事内容によって異なりますが、おおよそ60〜90万円程度の費用が必要になります。
まれに100万円を超える場合もありますが、いずれにせよ高額なリフォーム工事となります。
外壁塗装の工事費用には塗装作業以外に足場の設置、解体費用、建物周辺の保護費用、外壁と屋根表面の高圧洗浄と下地処理の費用などが含まれます。
もし安価なペンキなどの素材で塗装を行うと、塗膜の寿命は10年にも満たず、数年以内に再度塗り直す必要が生じてしまいます。
その結果、何度も高額なリフォーム費用が発生することになってしまいます。
専用の外壁塗装用塗料を使用して丁寧に塗装すれば、約10年間は外壁と屋根を保護し続けることができ、リフォーム費用も一度分で済みます。
塗料を選ぶ際には、色や質感だけでなく、耐久性や機能性にも注目することが重要です。
多機能を備えた高性能な塗料が次々に登場しており、価格も以前より手ごろになっています。
大切な屋根や外壁の塗装を安価なペンキで済ませるよりも、シリコン塗料以上の高性能な塗料を選ぶ方が、長期的に見てもお得と言えます。
ペンキは乾くまでに時間がかかる
塗装中の塗料は液体状態であり、ブラシやローラーを使って塗装面に均等に塗り広げ、乾燥させることで外壁や屋根に密着した塗膜が形成されます。
外壁塗装用の塗料は、一度塗ると最低でも24時間は乾燥時間を必要とします。
塗装後、数時間で表面は乾燥し、触っても剥がれることはありませんが、触れても問題ない状態になるには24時間以上の時間がかかります。
ペンキの場合は、完全に乾燥するまでに2~3日以上かかることがあります。
この乾燥時間中に雨が降ってしまうと、塗膜に雨の跡が付いてしまい、再度塗り直す必要が生じます。
外壁塗装では下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本とされています。
これらの層はそれぞれ乾燥しないと次の塗り作業を行うことができません。
24時間以内に下塗りが完全に乾燥していない状態で中塗りや上塗りを行うと、塗料の乾燥が妨げられ、気泡が残ったり剥がれたりするなど、施工上の問題が生じる可能性があります。
このような理由から、乾燥時間が短い外壁塗装専用の塗料が選ばれます。
ペンキでは外壁の劣化を防げない
外壁塗装用の塗料にはさまざまな種類があります。
これらの塗料の中から適切なものを選ぶ必要があり、外壁や屋根の劣化状態に応じて最適な塗料が選ばれます。
たとえば、外壁の最も一般的な劣化症状としては、紫外線による塗膜の色あせやチョーキングが挙げられます。
チョーキングとは、塗料の結合力が紫外線の影響で低下し、塗料の顔料が外壁表面にチョークのように付着する現象です。
既存の外壁や屋根に色あせやチョーキングが著しく見られる場合には、紫外線に強いラジカル塗料やフッ素塗料などが使用されます。
しかし、ペンキには耐候性が備わっていないため、紫外線の影響を受けやすい外壁では、塗装後すぐに劣化が進んでしまいます。
モルタル壁の塗装にはペンキは適していない
モルタル壁とは、セメントモルタルを使って塗り固め、リシン吹き付けやスタッコ吹き付けなどの方法で表面を仕上げる壁のことです。
一方、サイディングボード外壁は、既製品のボードを建物に取り付けて作られます。
モルタル壁はサイディングボード外壁に比べて、建物の負荷が直接外壁材にかかるという性質があります。
そのため、モルタル壁の表面にはひび割れ(クラック)が生じやすく、深いひび割れが放置されると雨水が侵入し、建物内部を損傷させる可能性があります。
モルタル壁の塗装では、ひび割れを防ぐ特殊塗料である弾性塗料や伸縮性のあるウレタン塗料などを使用することで、衝撃や負荷が加わっても塗料がひび割れを防止する働きをします。
しかし、ペンキには弾性がないため、モルタル壁のような衝撃が加わりやすい構造では、ひび割れが頻繁に発生してしまいます。
耐久性とひび割れへの耐性の観点からも、ペンキはモルタル壁には適していない素材です。
外壁塗装でも使われるペンキは主に2つ
オイルペイント
オイルペイントは、古くから使われてきたペンキであり、見積書ではOPと略されます。
主成分には植物性のボイル油が含まれており、柔らかく塗りやすい特徴があります。
比較的塗りやすい素材ですね。
乾燥には時間がかかりますので、塗装後は2日以上触れることができません。
また、耐久性も低く、約5年程度の寿命となります。
特に木部は、木の性質上、塗装しても塗膜が剥がれやすくなります。
そのため、木部の塗装では耐用年数が短いオイルペイントが使用されることがあります。
しかし、オイルペイントを使用しても塗膜は短期間で劣化するため、最近ではより耐久性の高いウレタン系やシリコン樹脂塗料が木材保護に使用されています。
合成樹脂調合ペイント
合成樹脂調合ペイントは、SOPと略され、建物の木部や鉄部の塗装に使用されることがあります。
この塗料は、アルキド酸樹脂に油を混ぜて樹脂性ワニスを作るため、「合成樹脂調合」と呼ばれています。
ここでの合成樹脂調合ペイントは、外壁塗装用のウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料とは異なるものです。
乾燥時間は、オイルペイントに比べるとやや早くなっており、耐久性や色の輝きも改良されています。
外壁塗装用の塗料に比べると乾燥にはまだ時間がかかります。
通常、外壁塗装用の塗料は気温の高い夏であれば1時間で硬化が始まりますが、合成樹脂調合ペイントでは約2時間かかります。
また、耐久性が改良されているとはいえ、ペンキの一種であるため、約3〜5年の間には塗り替えや点検が必要です。
まとめ
今回は、外壁塗装で使われる塗料について紹介しました。
外壁塗装で使われる塗料について詳しく知りたかった方は、参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
紹介した内容を参考にして外壁塗装で使われる塗料に関する知識を深めて下さい。
塗料について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。