屋根塗装の「縁切り」とは?

屋根塗装の縁切りを知っていますか?

屋根塗装の縁切りをあまり知らないという方が多いと思います。

そんな方向けに屋根塗装の縁切りについて詳しく紹介します。

すでに詳しい方は改めて確認するつもりで読んでみて下さい。

まずは、屋根塗装の縁切りについてみていきましょう。

屋根塗装の縁切りとは?


「縁切り」という作業は、スレート屋根に塗装を行った後に屋根同士が密着してしまった箇所を「塗膜カッターや皮スキ」を使って丁寧に剥がし、隙間をつくる作業です。

これによって、屋根の耐久性や通気性を向上させることができます。

屋根を美しく仕上げるためにも作業をきちんと行うことが重要です。

新築の際には、スレート同士の重なり部分には適度な隙間が設けられているため、雨が降っても自然に下へと排水される仕組みになっています。

しかし、塗装を行うと、この隙間が塗料で完全に埋まり、水がスムーズに抜けなくなってしまいます。

その結果、雨水が溜まりやすくなり、屋根にダメージを与える可能性があります。

屋根の耐久性を保つためにも、塗装作業は注意が必要で、隙間をきちんと確保し、適切な塗料を選んで施工することが大切です。

そうすることで、美しい屋根を長持ちさせることができます。

多くの塗装業者が縁切りの重要性を理解していますが、中にはまだその重要性に気づいていない業者も存在します。

スレート屋根の方は、塗装を行う際には必ず縁切り作業を依頼することが大切です。

縁切りが不要な屋根もあります。

縁切りが不要な屋根とは?


急勾配の屋根

傾斜が急な屋根は、勾配が5〜6寸以上の急傾斜の場合、縁切りが不要となります。

このような傾斜の屋根は、水はけが良く、塗料もたまりにくいため、雨漏りの心配がありません。

急勾配の屋根の方は、縁切りの必要がありませんが、専門業者に点検してもらい、判断してもらうことをおすすめします。

経年劣化で反っている屋根

スレート屋根は、築7~8年を過ぎると経年劣化が進み、先端が反り上がることがあります。

反りが3~5mm程度の隙間ができている場合は、縁切りは必要ありません。

この程度の隙間では、塗料が詰まる心配もありません。

反っているスレート屋根

塗装しても隙間から排水が可能であるため、縁切りの必要がありません。

屋根の反りは、日当たりの良い南面で特によく見られます。

そのため、同じ建物でも、1面だけ縁切り不要で他の面は縁切りするという場合があります。

見積もり時には、きちんと屋根を点検し、各面をチェックして縁切りの必要性を業者に確認してもらいましょう。

正しい縁切り方法と費用


縁切り作業には、30坪程度の一軒家ごとに5〜6万円前後が一般的な相場となります。

専用の塗膜カッターや皮スキなどの道具を使用し、1枚1枚手作業で塗膜を切り取っていきます。

この作業には通常、職人が1〜2人で1日を要することが一般的です。

縁切りの最適なタイミングは、塗装が完了してから数日後、しっかりと塗料が乾いた後がベストです。

直接塗ったばかりだと塗料が完全に乾かず、縁切りしてもすぐにくっついてしまう可能性が高いからです。

そのため、外壁や雨樋の塗装など他の作業を先に進め、縁切りは工事の最後の段階で、きちんと乾いた後に行うようにしましょう。

スレートの雨漏り予防に欠かせない縁切り作業ですが実際にはいくつかの問題が存在します。

ガリガリと削る作業により、周囲の塗膜や屋根材に傷がついてしまうことがあります。

さらに、丁寧に塗装した屋根を歩いて汚してしまうリスクも考えられます。

そして、塗装後は十分な乾燥時間を確保しなければなりません。

上記の問題点を解消できる方法として、タスペーサーと呼ばれる特殊な部材を使用する業者が増えています。

タスペーサーとは?


タスペーサーは、ポリカーボネート製の手のひらサイズの部材で、スレートとスレートの重ね目に差し込んで使用します。

使用方法は簡単で中塗りの前に一つずつ手で差し込んでいくだけです。

適度な隙間が確保されるため、その上から塗装しても隙間が塗料で埋まる心配はありません。

施工後は、ほとんど外からは見えないほどスッキリと仕上がります。

紫外線を受けることがないため、タスペーサー自体もほとんど劣化しません。

塗装後もそのまま放置しておくことができます。

強風などでタスペーサーが落ちる心配もありません。

施工時に既に隙間が確保されているため、後から雨漏りの心配もなく安心して使えます。

屋根塗装の際には、必ずしもすべての場所にタスペーサーが必要というわけではありません。

もしスレート瓦同士の間に4㎜以上の隙間がある場合、タスペーサーはなくても問題ないです。

隙間が大きい場合は、タスペーサーを安定して設置することができないことがあります。

それで仮に挿入したとしても、動いたり落ちたりすることがあります。

スレート瓦の隙間は必ずしも全て均等とは限りません。

日当たりなどの条件によって隙間の幅が異なることがありますので、時折部分的にタスペーサーが必要となる箇所があります。

タスペーサーの種類

タスペーサーには01と02という2つの種類があります。

通常は02を使用しますが、強溶剤の塗料を使用する場合には01を使います。

03という種類も存在しましたが、現在は生産終了しています。

取り付け後は、タスペーサーはそのまま残ります。

数年後にタスペーサーが庭に落ちてきたといった事もあるかもしれませんが、それでも縁切りの機能に問題はありません。

十分な隙間が確保されているからです。

費用と数量

タスペーサーの価格相場は、1平方メートルあたり300〜600円程度です。

一般的な30坪の家の場合、約2〜5万円程度で購入できます。

必要な数量は、1平方メートルあたり約10個を目安としています。

例えば80平方メートルの屋根の場合、約800個のタスペーサーが必要となります。

タスペーサーの利用により、塗装した塗膜や屋根を傷つけることを心配する必要はありません。

また、塗装後に時間を空けて作業をする手間も省けます。

通常のスレート屋根の場合、従来の縁切りよりもタスペーサーの使用をおすすめします。

設置方法

屋根の幅によって、取り付け方法が異なります。

家に設置を依頼する際は、カタログに示された正確な手順で施工されているか、写真を撮って確認してください。


・幅が60㎝の屋根の場合「シングル工法」

60㎝幅のスレート屋根では、片側から10〜15㎝の位置に1つ取り付けます。


・幅が90㎝の屋根の場合「ダブル工法」

90㎝幅のスレート屋根では、両側から10〜15㎝の位置に1つずつ取り付けます。

取り付けのタイミング

タスペーサーは、屋根の下塗り後に取りつけます。

01の場合は高圧洗浄後に取り付けても問題ありません。

まとめ

今回は、屋根塗装の縁切りについて詳しく紹介しました。

屋根塗装の縁切りについて詳しく知りたかった方は、参考になる内容が多かったのではないでしょうか。

屋根塗装の縁切りは、スレート屋根に塗装を行った後に屋根同士が密着してしまった箇所を塗膜カッターや皮スキを使って丁寧に剥がし、隙間をつくる作業です。

屋根の耐久性や通気性を向上させることができます。

屋根を美しく仕上げるためにも、作業をきちんと行うことが重要です。

新築の際には、スレート同士の重なり部分には適度な隙間が設けられているため、雨が降っても自然に下へと排水される仕組みになっています。

屋根塗装の縁切りに関する知識を深めて下さい。
足場なしでも屋根塗装が可能なのかについて知りたい方はこちらをご覧下さい。

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